ワイヤーカットとは放電加工の一種で、0.2mmほどのワイヤー線に電気を流して金属を切る加工です。
本記事では、ワイヤーカット加工の基礎知識やメリット、デメリットを解説します。
ワイヤーカット加工とは
ワイヤーカットとは放電加工の一種で、0.2mmほどのワイヤー線に電気を流して金属を切る加工です。
水や油などの液体の中で、電極と工作物の間に数ミクロンという超短間隔で放電現象を起こし、その時に発生する熱で金属を徐々に溶かしながら切るように加工します。
工作物とワイヤーは、数十ミクロンの一定の距離を保ちながら材料に接触することなくカットされていきます。
どんな加工ができる?
導通性のあるものならどんなに硬い材料でも高精度で切れます。
斜めの加工や上下異形状の加工も可能で、切削加工やドリル加工で発生しやすい切断面のバリも無く、金型部品や精密部品の加工に向いています。
ワイヤーカット加工のメリット・デメリット
メリット
①導電性のある材料なら硬さや厚さに関係なく高精度で加工できる。
②直線的な切断だけではなく、円弧を組み合わせて複雑な加工もできる。
③加工材料への負荷がほとんどかからず、変形しやすい薄板の加工にも使われる。
デメリット
①少しずつ溶かしながら切断するため、加工速度が遅く、大量生産には不向き。
②プラスチックなどの導電性が無い(通電しない)材料は加工できない。
③底がある形状は加工できない。その場合は形彫放電加工を使用します。
レーザーカットとの違い
ワイヤーカット
放電の熱で溶かしながら切るため、導電性のある素材しか加工が出来ない。
精度0.005mm。加工時間20~500mm/分。厚み400mmでも切れる。
レーザーカット
レーザー光で溶かしながら切るため、木材や樹脂なども加工できる。
精度0.05mm。加工時間700~10,000mm/分。厚み30mm程まで。
フジハラウインテックのワイヤーカット加工事例
当社が実際に加工したワイヤーカット加工による加工実績をご紹介します。昭和42年の創業以来、難加工・高精度・複雑形状など他社が断る問題に挑み続け、お客様に満足頂けるものづくりを追求しています。3D-CADを駆使した設計と、最新鋭のCNC加工機、長年積み上げた技と経験で高品質を実現します。
まとめ
ワイヤーカット加工についての基礎知識やどんな加工が出来るのか、ご理解いただけたでしょうか。0.2mmしかないワイヤー線で金属を切るってすごい加工技術ですよね。
現状、切削加工で加工している部品もワイヤーカット加工に切り替えることでコストカットや精度の向上に繋がることも多いです。
その他の放電加工についてはこちらの記事でまとめていますので合わせてご覧ください。